笑顔でいられることの、
尊さを知っている。
高校生のとき、父が大きな借金を抱え、家族は夜逃げ同然で大阪へ移ることになった。あの夜のことは、今でも忘れられない。それから家族みんなで、その借金を返し続ける日々が始まった。
いつも笑っていた母が、少しずつ変わっていった。「私のせいだ」と、ことあるごとに自分を責めるようになった。その姿を見ながら、気づかぬうちに私も同じように——誰かを傷つけてしまったとき、うまくいかないとき、まず自分を責める癖がついてしまっていた。女性が笑顔でいることは、そんなに簡単なことじゃない。笑っていられることの尊さを、あの頃の経験を通して、身体で知っている。
コロナ禍に入り、母が認知症と診断された。介護は、想像のはるか上にあった。人が少しずつ衰えていく姿を、毎日そばで見続けることの辛さ。家族に認知症の人がいる孤独感。「自分の優しさ」には限界があることを、初めて本気で感じた。誰かを助けたい気持ちは本物なのに、どんなに頑張っても追いつかない——そのなかで、私自身も崩れていき、やがてうつ状態になった。
その経験が、今の私の出発点になっている。からだがゆるむと、心もほどけていく。感情が流れはじめると、からだの循環も変わる。そしてその先に、自然と笑顔が戻ってくる。日本の女性が、もっと元気で、もっと自分らしく生きていけるように——それがPeterのトレーニングに込めた、すべての願いです。